源氏物語ミュージアムは見損ねてしまったが、その前を通り、さわらびの道を宇治上神社の方へ歩くと、仏徳山への上り口に47帖「總角(あげまき)」の古蹟がある。(宇治十帖(三))

01総角(1)mid
四十七帖「總角」は、(薫24歳8月から年末)
薫はふたたび大君に語らうが想いはとげられず、むしろ大君は中の君と薫の結婚を望む。
秋のおわり、大君がはかって中の君と薫をひとつ閨にとりのこすが、薫は彼女に手をふれようとしない。
最初の計画どおり、彼は匂宮と中の君を結婚させるが、匂宮の訪れはとだえがちで、これを恨んだ大君は病に臥し、やがて薫の腕のなかではかなくなる。
                   出典:【Wikipedia源氏物語あらすじ】より
与謝野晶子は、
「心をば 火の思ひもて 焼かましと 願ひき身をば 煙にぞする」(晶子)と詠んだ。

02総角(2)mid
總角の巻は、源氏物語の主題であるところの三角関係が主となっている。
八の宮の娘、大君と中の君そして薫君と匂宮、これに浮船が絡めば将に、源氏の失楽園になろうか。
この巻で、三姉妹の長姉である大君が「亡き人の御諌めはかかる事にこそ、と見はべるばかりなむ、いとほしかりける」と悲しみのあまりに、26才で亡き人になってしまう巻である。その「總角」の舞台がここなのである。

03総角(3)mid
駒札には、
『八宮の一周忌がめぐって来た。薫君は仏前の名香(みょうごう)の飾りに託して、大君への想いを詠んだ。
「總角に 長き契りを 結びこめ おなじ所に よりもあはなむ」
大君は父宮の教えに従い、自らは宇治の山住みで果てる意思が堅く、妹の中君をこそ薫君に委ねたいと望まれた。
薫君は中君と匂宮とが結ばれることによって、大君の心を得ようとされたが、意外な結果に事が運ばれてしまう。
匂宮は中君と結ばれたが、気儘に行動され得ない御身分故、心ならずも宇治への訪れが遠のく。
大君は「亡き人の御諫はかかる事こそ」と故宮をしのばれ、悲しみのあまり、病の床につき、薫君の手あつい看護のもとに、冬、11月に、薫君の胸に永遠の面影を残して、帰らぬ人となった。』
出典:【源氏物語 宇治十帖(三)總角の駒札】より
四十七帖の「總角」の巻名は、薫が八の宮の一周忌法要に事寄せて大君に詠んだ
「あげまきに 長き契りをむすびこめ おなじところに よりもあはなむ」(あなたが縒り結んでいる総角結びのように、あなたと私が長く寄り添えるようになりたいものだ)に因む。

04道標mid
總角の地は、東海道自然道の道端にあり、右は仏徳山へ、そして左は宇治橋へと続く道の分かれ目である。

05歌碑mid
そして、その道(さわらびの小道)を南に下がると道沿いに、与謝野晶子の源氏物語訳の巻頭に詠んだ、宇治十帖の巻の歌碑が建っている。
さらに下ると世界遺産の宇治上神社がある。
                                -2008.09.18-