諸大夫の間を過ぎると「新御車寄(しんみくるまよせ)」となる。

01新御車寄min
ここは大正4年(1915)に、大正天皇即位の礼が行われるのに際し、馬車で乗り付けられるようにうと、新しい玄関として造られたものであり、
牛車で入る元々の玄関を「御車寄(おくるまよせ)」と呼ぶのに対し、ここは「新御車寄(しんみくるまよせ)」と呼ばれ、大正以降の天皇皇后の玄関となった。
天皇が御所の南面から出入りされた伝統を踏まえ、ここもまた南向きに建てられているのである。


02儀装馬車min
平成21年(2009)4月に上皇・上皇后両陛下結婚50年を記念して、京都御所の特別公開の時に、新御車寄に展示された馬車で「儀装馬車2号」である。
昭和3年(1928)に宮内省主馬寮(しゅめりょう)工場において製造。
船底型両割幌の海老茶色、重量1,100Kg、全長4,23m、幅1.91m、高さ2,2mの6頭立4頭曳騎馭式(きぎょしき:馭者が馬に乗るタイプ)で4人乗りの馬車である。
車体の胴両側に、金色菊葉唐草模様及び金高蒔絵の御紋章がある。
昭和34年(1959)の皇太子殿下(現上皇陛下)と正田美智子(現上皇后陛下)様のご結婚の馬車列に使用された。
また平成2年(1990)の「即位礼及び大嘗祭後神宮に親謁の儀」の際に、2頭曳騎馭式にて天皇陛下(現上皇陛下)が御使用されている。
昭和34年のご成婚パレードはテレビで生中継され、それを見たいが為に、当時高価だったテレビを買う人が多く、テレビの普及に一役買っている。