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地蔵堂の前には、日本画家の堂本印象が母親の病気回復を祈願して奉納したという、高さ1.6mの釘抜のモニュメントが立っている。

釘抜きはバールのようなものではなく「やっとこ」のように挟んで抜く形をしたものである。



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地蔵堂の外壁は、釘抜きと八寸釘を取り付けた千枚の絵馬で、壁一面が覆われている。

室町時代末期に京の紀伊国屋道林という商人が両手の痛みで、地蔵尊に願を掛け、満願の夜に地蔵菩薩が夢に現れて

「前世で人を恨み、人形の両手に八寸釘を打って呪った報いであり、今その釘を抜いてやろう」と2本の釘を示された。

目覚めると痛みが消え、地蔵堂に駆け付けると地蔵像の前に朱に染まった2本の八寸釘があったという寺伝が伝わっており、

「釘は苦しみの象徴、苦痛を抜き去る地蔵菩薩の力を釘抜きが表している」との伝説が広がり、

「釘抜地蔵」に祈願し願いが聞き届けられた人たちが、釘と釘抜を留め付けた絵馬を奉納するのである。