西岸寺の地蔵堂には、油懸地蔵と呼ばれる石仏の地蔵尊が安置されている。



 クリックで大きくなります
鎌倉時代の作といわれ、銘文が刻まれているようだが、長年、油が掛けられ2cmも厚く積もり、調べることが出来ない。

黒光りする顔もはっきりとはしないのだが、微笑むような優しいお顔が感じられる。

願いを込めて油を掛けると商売繁盛に霊験あるという。

地蔵堂は、鳥羽伏見の戦いで焼失し、明治27年(1894)に再建され、現在の地蔵堂は、昭和53年(1978)に再び建立されたものである。



 クリックで大きくなります
駒札には、

『地蔵尊は、伏見天皇・正親町天皇の御信仰篤く、正応3年(1290)不思議の霊験ありしにより、

文保元年(1317)伏見院別御殿(当山の現在地)を下賜せられ、地蔵院の称号を賜った。

油懸地蔵尊の起こりは往昔山﨑(乙訓郡)の油商人が、この地蔵尊の門前で転び油桶を落とし油を流してしまった。

たいせつな油を失って落胆したが、残った油を地蔵尊にかけて行商に出たところ大いに栄え店は繁昌した。

以来、油をかけて祈願すれば願望成就すると信仰され、油掛地蔵尊と称するようになった。

地蔵尊は石仏で高さ1.7m、幅80cmの花崗岩の表面に、像高1.27m(立像)を厚肉彫りにしたもので、

右手に錫杖、左手には宝珠を捧げている。地蔵尊の造立は鎌倉時代といわれている。』

                    出典:【油掛地蔵尊の駒札】より