深泥池には、池の中央に浮島という池全体の3分に1を占める島が存在する。島と書いたが、この島の下には水が流れており、池の中に島が浮いているのである。



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深泥池の浮島とは、深泥池の不思議のひとつで、池の中央に広がり、池全体の3分の1を占めている。

この浮島の下には水の層があって、水面に浮いていることが確認されている。

浮島は水温や水質の関係で、有機物の分解が遅く、植物の遺体が分解されずに堆積し、その上にミズゴケや種々の植物が成育している。

また、池の底には分解せずに沈んで泥炭となったミズゴケが堆積しているが、その分析の結果、浮島は約14万年前から存在していたことが判明した。

この浮島は季節により上下に変動しており、夏は浮かび上り、冬は沈んで冠水をする。

冬に冠水する平坦部分(シュレンケ)には、ミツガシワやカキツバタ等が成育し、

冬に冠水を受けないやや高い部分(ビュルテ)には、アカマツ・ネジキ等の樹木が成育している。

                    参照:【深泥池生物群集の説明文】より



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また深泥池は京の心霊スポットの一つとして有名で、夜更けにタクシーが若い女性を拾い、行先は深泥池と言われ、

車を走らせて深泥池に着くと、乗せたはずの女性の姿はなく、シートは水に濡れていたという話が伝わっている。

タクシーの運転手の間では、夜更けに女性が「深泥池まで」と言うと、乗車拒否をしても許されるのだという。

映画やテレビに取り上げられる「深泥池」は、おどろおどろの池として映像化されるのだが、

昼間の深泥池はそんな気配は微塵も感じられないのだが、夜の池はまたその姿を一変するのであろう。

先の鉄輪しかりで、深泥池を守るために、太古の昔から人間どもを遠ざけている、大きな力が働いているのである。