二の鳥居をくぐり、ほぼ正面にあるのが「細殿」である。その前に円錐の形をした二つの砂がある。

これを「立砂」と云う。 立砂は、また盛砂とも呼ばれ「たつ」は神様のご出現に由来した言葉で、

神代の昔、上賀茂神社の御祭神「賀茂別雷神」が降臨された神山(こうやま)を形どったものと云われる。



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神山は、上賀茂神社本殿の北2Kmにある、円錐形をした美しい山である。

このように神が降りるような神聖な場所を神籬(ひもろぎ)といい、神山はまさにその場所なのである。

時が下り、鬼門や裏鬼門

(鬼門とは、鬼が出入する門で、万事に忌み嫌われる艮(うしとら)の方角で東北をさす)

(裏鬼門とは、鬼門の反対で、未申(ひつじさる)の方角で西南にあたる)

に砂を撒き清めるのは、この立砂が起源と云われている。

また門口などに置かれる清めの塩も又、この立砂に由来しているのである。

上賀茂神社だけでなく、他の神社でも時々見かけることがあるので、目につくことがあるかもしれない。



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立砂は左右対称で子供の背丈ほどの高さがあり、神山のように円錐形をした盛砂である。

その頂に松の葉が立てられているが、向かって左が3葉、右が2葉となっている。

3と2は陰陽道による吉凶の数字で、神の出現を願うものだという。