では鵺とはいったいどんな怪鳥なのであろうか。産経新聞の凡語に鵺の事が書かれていたので、それを参照すると・・・



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『正体のはっきりしない、とらえどころのない人のことをヌエ的人物と呼ぶことがある。

陰の権力者、黒幕、巨魁に近い。昭和の時代には何人か思い当たる人物はいたが、最近は絶滅したかのようだ。

話は平安時代後期にさかのぼる。「平家物語」によると、近衛天皇は夜な夜な御所に現れる妖怪に悩まされていた。

剛の者が紫宸殿の屋根から射落としたところ、頭は猿、体はタヌキ、手足は虎、尾は蛇という奇怪な姿で、鳴き声は鵺に似ていた。

鵺は広く夜に鳴く鳥のことを指し、今では鵺の正体はトラツグミとするのが定説になっている。

体はハトほど、名前の通り黒と黄色の虎のような模様がある。夜、不気味な笛か口笛のように「ヒィー、ヒョー」と寂しげにさえずる。

怪物には名前がなく、いつしかこの鳥が汚名を背負わされた。

近衛天皇は2歳で即位したが、生まれつき病弱で、16歳で亡くなる。時あたかも、貴族社会から武家の世に転換し始めていた。

世情は末法思想に覆われて不穏だった。孤独で不遇な天皇は暗い御所で怪物と風音におびえていたのだろう。

トラツグミは900年近い時空を超え、今も京都御苑に生息をする。

春の終わりには涼しい山間部に移動してしまうため、名残を惜しむ野鳥愛好家たちがカメラを手に姿を追い求めている。』

                    出典:【産経新聞 凡語】より