京の町に三千家のほかにも茶の湯の一派がある。

油小路通から二筋東の西洞院通に入り、正面通下ルにあるのが「薮内(やぶのうち)家」である。



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薮内家は400年13代渡り、茶の道を今に伝える家柄である。

初代の薮内剣仲は、兄弟子の千利休や古田織部などとも親交が深かった。

千利休が秀吉と結び世に出たのと対照的に、洛北の地に隠棲し茶道三昧に耽ったという。

2代の真翁は西本願寺に向かえられ、以降、西本願寺の庇護を受け、元治元年(1864)の禁門の変で家屋敷は焼失するのだが、

西本願寺の援助により復興し、現在に至っている。

薮内家の内は一般に公開されることはなく、薮内流の関係者のみ入ることが許されている。



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薮内家は、西洞院通を表玄関とし、一つ西の東中筋通が裏側となる。

茶道薮内流の茶法として、

『「正直」を以て心を守り、「清浄」を以て事を行い、「礼和」を以て人と交わり、「質朴」を以って身を修める』を茶の心として、道を極めるのだという。