東大路通の「東山安井」でバスを降り、八坂の塔へと続く八坂道を登ると、日本最初の庚申信仰となった『八坂庚申堂』がある。


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八坂庚申堂は、大黒山金剛寺庚申堂と号し、大阪四天王寺の庚申堂、東京入谷の庚申堂(現存せず)と並び日本三庚申の一つで、

御本尊青面金剛は飛鳥時代に中国大陸より渡来した秦河勝により秦氏の守り本尊として祀られた。

平安時代、当代随一の験者であった浄蔵貴所が、すべての人々がお参りできるよう、八坂の地に当寺を建立したのが、いまから千年以上も昔のことである。

以後、日本最初の庚申信仰の霊場として信仰を集めており、現在の本堂は江戸時代・延宝6年(1679)の再建になるものである。

                 出典:【八坂庚申堂HP(庚申堂由緒)】より


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八坂の庚申堂には「くくり猿」という猿を模したものが祀られている。

これは庚申の日に三尸(さんし)の虫が出てこれぬようにと、手足を縛られているものなのだが、

庚申の日に三尸の虫が世に出たいという欲望と、人間の内に潜む要望行動を抑えるということを、この「くくり猿」に叶えてもらうという、願掛けの一種だという。

そんな願いを込めた「くくり猿」が本堂前にこれぞとばかりに、ぶら下げられている。

人の煩悩とは、なかなかに断ち切れないものである。