五社神社から蓮生塔のある所で右に曲がると、その先に洛西観音霊場21番札所の「長福寺」が見えてくろ。

 クリックで大きくなります
21番札所は、元は五社神社にあった永福寺が札所だったのだが、廃寺となり長福寺に合併された。

洛西観音霊場とは、桂川西岸から西山にかけて置かれた観音霊場で、33番までの札所と番外3ケ所からなる、36寺院をいう。

観音霊場の始まりは、室町時代とも言われるがはっきりとはしないのだが、

江戸時代には、西の岡三十三所巡りが行われており、少なくともこの頃には霊場巡りが確立されていたようである。

しかし明治を向かえ、廃仏毀釈の影響を受け、永福寺などのように廃寺となる寺もあり、西の岡三十三所巡りは忘れ去られるようになる。

しかし昭和53年に、洛西観音霊場として復活されることになる。その21番札所が長福寺である。

 クリックで大きくなります
念佛山長福寺と号する浄土宗西山禅林寺派で、本尊は阿弥陀如来、

札所本尊は十一面観世音菩薩で「結びの観音」と呼ばれ、縁結びなどに霊験あらたかである。

本来は永福寺の本尊だったものを、廃寺となったため長福寺に移された。

伝えによると、承和14年(847)、円仁が唐からの帰路、会場で暴風雨にあい

「無事帰国できれば、三体の観音像を作り奉安する」と祈り、

無事帰国出来た約束に、比叡山に三体の観音像を安置したといい、その一体がここにある観音像だという。