桂大橋の西詰には、御菓子司の「中村軒」がある。

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中村軒は明治16年(1883)に、山陰街道の桂橋の西に饅頭屋を始めたのが、店の起こりである。

京から丹波・丹後への手土産に、ここで中村軒の「かつら饅頭」を買って山陰へと道を急いだ。

桂の地は麦を裏作として作っていて、6月は麦刈りと田植えで忙しく、農作業の間食として中村軒の餅が重宝され、

各田畑まで出前をし、その代金を後に麦で支払われたことから、この餅を「麦代餅(むぎてもち)」と呼ばれるようになり、中村軒の名物となった。

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また中村軒のもう一つの名物は、夏のかき氷。

5・6月は「いちご氷」、7月は「マンゴー氷」、8月は「すだち氷」、9月は「いちじく氷」とそれぞれの季節に合せ、フルーツを蜜にしたものである。

その値段は少々お高いのだが、その蜜は夜店でかき氷を食べて、口の中がその色になるというものではなく、

しっかりと果物の果汁を搾ったものであり、これが評判を呼び、店には行列が出来るほどである。