伏見松林院陵から南に、南浜通を東に歩き両替町一丁目にあるのが「呉竹地蔵」である。

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呉竹地蔵は、柿ノ木腹帯地蔵とも呼ばれ、聖徳太子が伏見の里を通った時に、御霊光を見て柿ノ木から彫ったといい、安産祈願に御利益があるという。

由緒書きによれば、

『両替町1丁目の地蔵堂には、安産に霊験あらたかと信心をあつめている柿ノ木腹帯地蔵が祀られている。

近くの願船寺に残る寺伝によると、聖徳太子が仏法を広めるため伏見の里を通ったとき、

不思議なことに空に妙なる音楽が響き、周囲に芳香がただよい、柿ノ木に紫雲がたなびいて、そのなかに地蔵菩薩が顕現したという。

そこで、太子は柿の霊木から地蔵菩薩を彫刻したところ、その夜、一人の僧が現れ、、広く人々に仏法を説いて、さまざまな迷うから解き放ち、悟りをひらかせるよう語ったという。

古くは船戸村(現在の両替町1丁目柿ノ木浜町)に鎮座していたが、兵火によって堂宇が荒廃してしまったので、願船寺に移された。

妊娠した女性がこの地蔵さんに願をかければ、安産で母子ともに健全、しかも子孫は長く富有を楽しむことができると信じられている。

また、地蔵秘伝の五香湯があったらしく、秘薬を服すれば胎内の子どもは無病息災なりと信仰されていた。

この地蔵さんは、宇治川運航の守り地蔵さんでもあった。』

                  出典:【柿ノ木腹帯地蔵の由緒】より