長建寺の門前の宇治川派流の辺りは、弁天浜と呼ばれ、その景観は伏見でも他にひけをとることはない。

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長建寺門前の豪川の浜が弁天浜で、その向側が大倉浜である。

その先に架かるのが「弁天橋」であり、この橋から、龍馬通り商店街に通じる「宝来橋」までの、豪川沿いに続く道は、いかにも伏見らしい景観を見せるのである。

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途中、長建寺門前の弁天浜は、映画のロケーションにも使われており、川向こうに酒蔵と煙突が見えているが、これは黄桜酒造の酒蔵である。

弁天浜向かいの大倉浜は、酒造りのための米が降ろされ、また大坂や江戸に酒を出荷する港としての役目を受け持っていたのである。

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この辺りが弁天浜で、その駒札によれば、

『ここを辨天浜と言う。

昔、洛南三大奇祭の一つと謳(おう)われた7月23日の夜の「長建寺の大祭辨天祭」は、

船上で行われる大柴灯護摩法要で関西一円に有名であったが、その船渡御はこの浜から出発して宇治川へ出た。

また、向側を大倉浜と言い、明治22年東海道線の開通を見るまで、この浜で米が降ろされ、酒が積まれたところである。

この浜の北側は「伏見南浜港」といわれて、江戸時代は参勤交代の大名の御座船を初め、三十石船、伏見船の発着点として日本でも珍しい河港であった。

又、この付近一帯、映画のロケーションには絶好の場所であり、多くの大作を生んだ。昭和58年には新京都百景の一つに選ばれている。』

                   出典:【辨天浜の駒札】より