三条通からインクライン下の「ねじりまんぽ」を抜け、金地院の前を過ぎると「南禅寺」である。

8年前にも南禅寺を訪ねているのだが、その頃はそんなに人も多くなく、ゆっくりと見ることが出来たのだが、

今回は南禅寺の門をくぐる前に観光バスが数台停まっていて大勢の人達でごったがえしていた。しかもその多くが外国の人たちであった。

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南禅寺の境内に入ると、大きな石の碑があった。

「この門を入れば 涼風おのづから」と刻まれていたのだが、誰の詠んだ句かも分からず、側に立つ駒札に目をやれば、

『森永湛堂老師自筆の句。

師は佐賀県伊万里市本派円通寺僧堂師家。杉洞は俳号。ホトトギス派九州での重鎮、同人であり選者で門弟が全国に三千人といわれる。

石は熊本県奥球磨白髪岳から運ばれたもの。重さ15トン。』

                    出典:【句碑の駒札】より

杉洞こと湛堂老師は臨済宗の高僧で、南禅寺の住職に何度も推挙されたのだが、ついにこれを受入れることなく、

九州の片田舎で俳句を詠みながら、静かに余生を送ったという。