仏光寺から、旧東海道をそのまま東に歩こうかと思ったのだが、道がよく分からず、ここから三条通に出て、蹴上へと向かった。

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蹴上は京都市営地下鉄東西線の駅であり、この前の道を抜けると、日ノ岡峠を越えて大津へと続く11Kmの街道である。

蹴上の名の由来は、その昔,牛若丸が金売り吉次と共に、奥州藤原氏のもとに旅立つ際に粟田口を出ここに来た時に、

平家の武者が通りかかり馬が泥水を蹴上げたものが牛若にかかり、怒った牛若がこれらの武者を切り捨てたという謂われから「蹴上」と呼ばれるようになったと云う。

その後、牛若はこの行いを恥て9体の仏像を祈願したという。その一つが疎水公園の中に残っている。

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ここは琵琶湖疏水がひかれた時に、この間だけは高低差が大きく、船をとおす水路をひくことが出来ず、

一旦、船を台車に乗せ九条山から南禅寺船溜までを運んだのであり、傾斜鉄道との意味から、インクラインと呼ばれ、

この両側に桜の木が植えられて、今では春になると花見の人達で賑わうのである。

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3月の末、もうすぐ4月になろうという頃の、インクラインの桜である。

最近は、インクラインの桜を愛でる人達が多国籍化をしており、なななか静かに桜を愛でるということが出来なくなっている。

京の町で、桜の名所は多いのだが、その殆どが大勢の人達で賑やかである。

数十年いや数年前までは、平日の京都ではこんな騒がしいことはまく、桜の花見も、花の息吹を感じることが出来たのだが、

最近はなかなか静かに花を愛でることが出来なくなっている、今日この頃である。