三条通から四条大宮へと下る通りに、武信稲荷神社に向かう途中にあるのが「三条台若中会所」である。

ここは以前に「魔界伝承を訪ねて、一条まで」と題して、四条大宮から一条通までを歩いた時に、

武信稲荷とともに通り抜けた所なのだが、今回は三条通から下り、武信稲荷と共に、再び取り上げてみようと思う。

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祇園祭といえば7月17日に行われる(今年からは24日にも後祭がおこなわれる)山鉾巡行が良く知られているのだが、

祇園祭は7月1日から31日までにかけて行われる、八坂神社の神事で、その間には色々な行事が行われる。

祇園祭は、八坂神社の氏神さまが氏子の住まいにやって来るという「神幸祭」で、御旅所で留まられ、再び神社に帰る「還幸祭」がある。

祇園祭もまた山鉾巡行が主たる行事ではなく、八坂さんの祭神を神輿に担ぎ、鴨川を渡り(渡御)御旅所まで送り、再び神社に帰すという大事な行事がある。

この行事を受け続けてきたのが、三条会商店街の近くにあった「三条台若中」という組織だったのである。

江戸時代までは三条台村といい、村内に八坂神社御供所と神泉苑があり、代々、神輿巡行の世話をしてきたのである。

この会所は、天保3年(1832)に会所とし、文久2年(1862)に改装され、現在の建物は、昭和2年(1927)に建てられたものである。