織物に係わる店が並ぶ通りを智恵光院通まで来て、そこを越えると赤い格子がよく目立つ「箔屋野口」の店がある。 |
箔屋とは、金箔(金箔とは、金を紙のように薄く打ち延ばしたもの)を使って、西陣織の帯地に織り込まれる金箔・銀箔を貼り付ける職のことである。西陣織の帯に織り込む場合は、金箔を貼った薄紙ごと細く切って糸にしたものを横糸にして、織り込んでいくという。このようにして出来上がるのがまさに、金襴緞子(練り絹糸で地を綾織にし、金糸で模様を織り出した、豪華な織物)の帯なのであろう。 |
箔屋野口は、明治10年創業で、西陣織に使う金糸や平金糸を作ってくた老舗である。 |
金糸を横糸にして、何故あのような金襴緞子の帯が作り出されるのかよく分からないのだが、見るだけでもその素晴らしさが伝わってくるのは、凄いものだと思うのである。(上京区元誓願寺通大宮西入元妙蓮寺町) |
また5代目の野口さんは、箔画という金箔を使って絵を描くという技法をもって箔画家としても活躍をしている。 |
屋根の上には、魔除け・厄除けの鍾馗さんが載っていて、京の古い町家では必ずといっていいほど、屋根に鍾馗さんが載っているのである。 |
鍾馗とは、中国等の時代、玄宗皇帝が夢の中で鬼に襲われた時、髭面の鍾馗がこれを退治したといい、夢から覚めると病も癒えていたという。 |
このことから鍾馗が鬼を退治したと噂となり、道教の神として信仰されるようになったという。 |
鍾馗さんを屋根に載せるという風習は、その昔、鬼瓦によって跳ね返った災いを防ぐために、 |
鬼より強い鍾馗さんを鬼瓦の向かいに、魔除け・厄除けとしておくようになったのだといい、京都の中心部を主に広がったものだという。 |
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