8月の月末にかけて田舎に帰っていました。今日から再び、千本通にと戻ります。宜しくお願い致します。


釘抜地蔵から千本通を北に歩くと、千本ゑんま堂の通称で知られる「引接寺」がある。

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引接寺の本尊はなんと、地獄の入口で死者を裁く閻魔大王である。そのことから千本ゑんま堂と呼ばれ、京の三大葬送地のひとつ「蓮台野」への入口に位置している。

ちなみに、嵯峨の「化野」、東山の「鳥辺野」と「蓮台野」が、京の三大葬送地と呼ばれる。

千本ゑんま堂は、昼は宮中に仕え、夜は地獄に赴き閻魔大王に仕えたという小野篁(802~853)が、この千本通に閻魔大王の姿を刻み祀った祠が始まりといわれている。

小野篁は亡き先祖をこの世に向かえ、家で数日を過ごした後に再び来世に帰ってゆくという「精霊迎えの法」を閻魔大王から授かり、今に盂蘭盆会として受け継がれている。

その迎えるときも、また送るときも打ち鳴らされる鐘撞き堂がある。

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千本ゑんま堂には、引接寺開山で蓮台野の名付け親である、僧定覚が民衆を仏に導く(引接する)ためと、

蓮台野に祀られた霊への供養として念仏法会を行ったのが、大念仏狂言の始まりとされる。

京の三大狂言のひとつだったが、昭和39年(1964)に後継者不足で中断し、昭和49年(1974)には狂言舞台衣装を火事で焼き、

そのまま消えてしまうかと思えたが、現在、口伝50曲中25曲が復活され、5月1~4日まで公演されている。

三大狂言のなかで唯一セリフが入るのが特徴である。

ちなみに他は、壬生寺の大念仏狂言。ここでは1000枚余りの参詣者の願いが書かれた包絡を割るという演目が有名である。

もう一つは、嵯峨の清涼寺で行われる嵯峨代念仏狂言である。ここでは、シリアルな演目とコミカルな演目を交互に演じられている。