本久寺から一筋東にあるのが「本瑞寺」である。

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本瑞寺は日蓮宗の寺で、墓地には生間(いかま)家の墓がある。

生間家は有職(ゆうそく)料理生間流を代々伝え、八条家(後の桂宮家)に仕えた料理人であったのだが、明治になって桂宮家に子孫がなく廃絶になると、生間家は東京へと移住をする。

生間家が伝えた流儀は、萬亀楼(まんかめろう)を営む小西家が引き継いで現在に至っている。

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有職料理とは、平安時代の貴族の接待料理である大饗料理が、武家社会の本膳料理などの影響を受け、公家風料理として現在に残ったものである。

その流儀を代々伝えてきたのが生間家であり、現在は小西家が引き継いで、萬亀楼の料亭でそれを食することが出来るのである。

生間流には「式包丁」という左方があり、魚に手を触れることなく包丁刀と俎箸で切り分けて、目出度い形に作り上げるという珍しい作法である。