鳴滝村の守り地蔵「鳴滝延命地蔵尊」から北に、鳴滝本町を抜けると、俳句の冬の季語でもある「大根焚き」の寺で有名な、了徳寺がある。

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前にここを訪ねた時には、嵐電北野線を「宇多野」で降り、周山街道を北に歩き、街道から少し南に入ったのだが、

今回は旧鳴滝村の中心である鳴滝本町から周山街道へ抜ける途中に、この寺と出会うこととなる。

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大根焚きの由来は、鎌倉時代の建長4年(1252)の冬に、親鸞が愛宕山山中の月輪寺を訪ねた帰りに、鳴滝の村に立ち寄った折に、

村人が鳴滝大根を焚いてもてなしたところ、親鸞は大いに喜び、すすきの穂を摘んで筆とし「帰命尽十方無碍光如来」の1字の名号を書き与えた。

(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい、と読み、阿弥陀如来に身を委ね、心のよりどころとなせの意)

このことを偲び、村人が建立したのが了徳寺であり、毎年12月9日・10日の報恩講には、その時に振舞った塩味の大根を焚き、親鸞の遺徳を偲ぶのである。