随分とご無沙汰でした。実は4~5日で帰ってくる予定だった里帰りが、10日を越えてしまい昨日帰ってきた次第です。

その経緯はおいおいとお話したいと思いますが、まずは宇治平等院の続きから、今後もよろしくお願い致します。


浄土院本堂の前の庭には、もう一つ、こんなものがある。「宇治茶祖 竹庵の碑誌 元禄十二年」という駒札にみる、漢文で刻まれた碑文の石碑が建っている。

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竹庵にまつわる逸話に「天下一の点前茶釜倒し」という話が伝わる。

ある時、宇治の上村竹庵は茶会に千利休を招くと、弟子と共に利休が竹庵の庵を訪ねると、竹庵は大いに感激をし、

自ら茶を点て利休をもてなしたが、緊張のあまり、茶杓や茶筅を落したり、湯をこぼしたりと粗相の連続であり、

これをみた利休の弟子たちは心の中で笑っていたのだが、お茶会が終ると利休は一言

「ご亭主のお点前は、天下一でございます」

と称賛したのである。弟子たちは、それを不思議に思い利休に訪ねると、利休は

「竹庵は、私達に最もおいしいお茶をふるまおうと一生懸命だったのです。ですから、あのような失敗も気にかけず、ただ一心にお茶を点てたのです。その気持ちが一番大事なのです。」

と言い、弟子たちを戒めたという。茶の心は、もてなしの心であり、技や土具ではなく、真心をもってのお点前こそが大事だと説いたのである。