浄土院本堂には珍しい観音さまが安置されている。

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この観音さまは波形の台座の上に、船に乗るという観音さまで、旅の安全や航海の無事を祈願し、また人生を長い旅路として、人の一生を守る観音さまだということで広く信仰を集めている。

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しかし戦後すぐに盗難にあい、厨子と台座、守護札しか残っていなかったのだが、平等院開創950年を記念して復元をされここに安置されている。

その説明書きによると、

『江戸時代以来、現在の鳳翔館南西角あたりに旅の安全と無事を祈願し、浄土院子院として観音堂が建立されていました。

本尊は、波型の台座に舟に乗る俗に言う「船乗観音」

旅の安全を祈る旅人や家族の方、航海の無事を祈る方、人生を長い旅路として一生涯の無障を願う人々、

成人式や様々の人生儀礼に際してお参りする方など、交通の要であった宇治の平等院の中で、大変篤い信仰を受けていました。

しかし、戦後まもなく盗難に遭い、それ以降、厨子と台座、守護札が残るばかりでした。

この度、平等院開創950年記念事業の一環として、仏師村上清氏の匠技彫をもって、それを復元し、開眼・浄土院本堂に安置を行いました。

阿含経には「人間遊行」とあり、人生は長い旅路と示されます。旅といのちに想いを馳せる尊い菩薩です。残された古版による守護札の刷り直しも行っています。』

                   出典:【救世船乗観音の説明板】より