西本願寺の国宝「唐門」からすぐにあるのが、龍谷大学大宮キャンパスである。

龍谷大学は、寛永16年(1639)に西本願寺が設立した学寮が起源の学校である。

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西本願寺に南にある龍谷大学大宮キャンパスは、5つの重要文化財があり、いずれも明治12年(1879)1月の建立になるもので、この学舎の正門も重要文化財の一つである。

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大学の本館は、その駒札によると、

『本館(正面建物)は、本願寺大教校として使用された学舎で、明治10年(1877)1月、本願寺21世明如上人の時に起工し、二年後の明治12年(1879)1月に竣工、同年5月に落成式を行った。

構造は、木骨石貼寄棟造、桟瓦葺、二階建てで、関西における洋風建築の先駆をなす斬新な建物として重要な意味を持ち、国の重要文化財に指定されている。

内部一階には十字型廊下で仕切られた左右同形の室が六室、二階には東側に本尊阿弥陀如来像を安置する講堂、西側に階下と同形に2室がある。

柱、アーチ、手摺など各部に洋風の意匠を採り入れているが、中でも鉄製門扉、窓、手摺等は、ロンドンから取り寄せたものである。

この本館の左右には、同年建設の学寮(木造切妻造、桟瓦葺、二階建て)が対称形に並び、また建物の周囲には、石造の表門を中心に石垣が巡らされているなど、明治期の大学の優美な姿を今に伝えるものである。』

                      出典:【龍谷大学本館の駒札】より

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本館の南にあるのが大宮学舎南黌(こう)で、北側と対にして建てられた学舎であり、これもまた重要文化財である。

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大宮学舎北黌で、その造りは本館を挟み南黌と相似形をなしている。

日本的な仏教教育の学舎が西洋風な建物であることに違和感が感じられるが、明治の時代だからこそ、このアンバランスが認容されたのであろうか。

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この守衛所もまた明治12年に建てられたもので、現在は龍谷大学のオリジナルグッズの展示館として利用されている。

レンガ造りのいかにも明治の雰囲気を残す建物である。