有済橋の北側には、白川で水道管工事がなされた際に、川底から掘り出されたお地蔵さんが安置されている。



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このお地蔵さんは、「なすあり地蔵菩薩」と名付けられ、地域の守り本尊として崇められているのだが、

その由来は、今は廃校となった「有済(ゆうさい)小学校」の名を逆さに読んで、「済す有り(なすあり)」と名付けられたのだという。



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その横にある信者有志によって建てられた駒札から引用すると、

『このお地蔵さまは「なすありのお地蔵さま」とおよびします。

そのいわれは、この道を「なすありの径」と命名されたからですが、

もう一つのいわれは、このお地蔵さまは昭和29年に花見小路通りの水道管工事を京都市水道局が行った時、

白川の川底からほり出され、この世にお姿を現されました。それまでの何百年の間は暗やみの世界でジットたえしのんでおられました。

「なすあり」とは地元の京都市立有済小学校の有済に因んだ言葉で、中国の書経に記されている言葉です。

校歌に「たえてしのべば、なすあり」とうたわれ「人間はどんなつらい事に対してもたえしのび努力すれば、必ずむくわれ成功する」という事です。

この水道工事を請負った故、中村幸太郎さんが、このお地蔵さまをみつけてぜひお祠りしたいと八坂神社のおみこしの四若神輿会に相談され、神輿会がお堂を建立され本日に至りました。



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時は流れて四十余年、この「なすありの径」が京都市のご厚意でコミュニティ道路に新しく生まれかわったのを機会に、

このお地蔵さまも改めてみんなでおもりしようとの声が高まり、有志の方々の協力で御名も「なすあり地蔵さま」とおよびすることになりました。

ご信心の心あつき方々のご厚意で、いつかの日にお堂の再建もさせて頂きたいと存じます。その節はよろしくお願い申し上げます。

                         出典:【なすあり地蔵菩薩の駒札】より