| 西光寺より、さらに南に歩くと西に京都市立太秦中学校がみえてくる。この辺りが、もと大映京都撮影所があったところである。 |
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| 大映京都撮影所は、昭和２年（１９２７）に日活がこの地に、日活太秦撮影所として開所したのに始まる。主に時代劇が撮られており、三吉稲荷を建立したのもこの日活の撮影所である。 |
| その後、戦時統合により大日本映画製作株式会社となり、この会社が戦後、大映株式会社と名を変え、この京都撮影所で数々の名作が生み出されていくのである。 |
| その大映京都撮影所の正門があったのが、太秦中学校のあるこの場所だったのである。 |
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| 大映は映画黄金期には多くの名作を生み出し、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎、田宮二郎など、そして三大女優といわれる、京マチ子、山本富士子、若尾文子の女優陣など多彩なスターがひしめきあっていた。 |
| 昭和２６年（１９５１）の『羅生門』（監督・黒澤明）で、ベネチア国際映画祭グランプリを受賞したのを始めに、 |
| 昭和２８年（１９５３）の『雨月物語』（監督・溝口健二）が、ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞、 |
| さらに昭和２９年（１９５４）には、『地獄門』（監督・衣笠貞之助）が、カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞、また『山椒大夫』（監督・溝口健二）はベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けた映画を創っている。 |
| しかし、もともと永田雅一のワンマン経営であり、意に反した人物や、自分に逆らった俳優などを解雇し、五社協定という今では考えられないような協定を盾にして、映画界から追放をしている。 |
| （五社協定とは、大映の永田雅一の主導で、日本の映画会社（松竹、東宝、大映、新東宝、東映）の５社により結ばれた、映画会社同士の専属監督・俳優の引き抜きの禁止や監督、俳優の貸し出しの廃止など５章１５条からなる申し合わせ） |
| たとえば、日本一の美女と言われ、美人の代名詞だった山本富士子が少しだけ盾をつくと、一方的に解雇し、五社協定で他社の映画やテレビにも出られなくしたり、昭和４３年（１９６８）に、田宮二郎が配役の序列に抗議すると、これも一方的に解雇をしている。 |
| そんななかで、昭和３７年（１９６２）に勝新太郎の「座頭市物語」と昭和３８年（１９６３）市川雷蔵の「眠狂四郎 殺法帖」でもちなおすものの、 |
| 昭和４４年（１９６９）に市川雷蔵が３７才で癌で急逝すると、一気に経営が危うくなり、昭和４６年（１９７１）に大映は破産し倒産してしまうのである。 |
| 大映倒産ののち、大映京都撮影所の俳優とスタッフが中心となり、映像京都を設立し多くのテレビドラマなどを制作したのだが、その映像京都もスタッフの高齢化などのより先日（平成２２年８月）解散をした。 |
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