| タラタラ坂を登り切ると、三条通である。この付近は、林芙美子の「放浪記」に出てくる『さくら井屋』や、京で最初に社交ダンスが催された『JEUGIA』、明治の牛鍋の伝統を受け継ぐ『三嶋亭』などの老舗が軒を並べる。 |
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| 新京極からタラタラ坂を登り切った三条通の角にあるのが「さくら井屋」。天保年間の創業になる老舗で、手刷木版画の便箋や封筒など京ならではの小物を扱う店である。 |
| 林芙美子の「放浪記」にはこんなくだりがある。 |
| 『女学校時代の友人、お夏さんから手紙が届き、「何もかも投げ出して京都へ行きたくなっていた」彼女は、八年ぶりのお夏さんとの再会のため京都へ向かう。 |
| 京極は昔のままだった。京極の何とかと云う店には、かつて私達の胸をさわがした美しい封筒が飾窓に出ている。 |
| だらだらと京極の街を降りると、横に切れた路地の中に、菊水と云ううどんやを見つけて私達は久し振りに明るい灯の下に顔を見合わせた。 |
| 私は一人立ちしていても貧乏だし、お夏さんは親のすねかじりで勿論お小遣いもそんなにないので、二人は財布を見せあいながら、狐うどんを食べた。』 |
| 出典:【林芙美子「放浪記」】より |
| 林芙美子もその前を通ったであろう「さくら井屋」さんがここにあるのである。 |
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| 三条通の「さくら井屋」の東隣にあるのが「JEUGIA」(「じゅうじや」と読む)こんな横文字の店なのだが、 |
| 自分的には「十文字屋楽器店」という名のレコード店だったという記憶である。その後、「十文字屋」と店名を変え、何時の頃からかこのような横文字の店となってしまった。 |
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| 三条通と寺町通が交差する寺町三条にあるのが、130余年、牛鍋の味を守り続ける「三嶋亭」がある。 |
| 明治のバンカラ書生が牛鍋でモツをつついている雰囲気が漂う店構えの、すきやきを提供する店であるのだが、なかなか庶民には手が届かない100年を越える老舗の風格を持つ店である。 |
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