法輪寺をおりて渡月小橋を渡ると、嵐山公園(中之島地区)がある。

桂川の中にあるこの島の東の端に「日中不再戦」と刻まれた石の碑が建っている。



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表には

『日中不再戦
     良慶 九十四傁』

とあり、刻まれた文字は、清水寺貫主・大西良慶翁の揮毫になるものである。

良慶翁は、明治から昭和を生き、昭和58年(1983)107才で天寿を全っとうした。この文字を揮毫した時は、数え年94才であった。

この碑は、昭和43年(1968)7月に盧溝橋事件30周年を記念して、日本中国友好協会京都府連合会によって建立された。

石碑の裏には、

『日中戦争勃発三十周年を記念し、日中不再戦の悲願をこめて、広く京都府市民の協力により、景勝の地嵐山に碑を建立した。

これは日清戦争から太平洋戦争を通じて、日本ならびに中国の人民がこうむった悲劇を、断じてくりかえさない決意の表明である。

同時に、いままた侵略勢力が横行している時、日本・朝鮮・中国・ベトナムなどアジア諸民族は固く団結し、再びアジアを戦場としない決意の表明である。
一九六八年七月 日中不再戦運動京都実行委員会』

とあり、この碑が建立された経緯が綴られている。



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この碑から見える橋が中之島橋で、この橋を渡り道沿いに200mほど南に歩くと、阪急嵐山の駅である。