野口家住宅から油小路通を南に、四条通を超えて二筋目、油小路仏光寺下ルの太子山町に「秦家住宅」がある。 |
秦家は近年まで漢方薬を扱っていた店で、その名残の「奇応丸」とかかれた看板や、「秦薬舗 奇応丸 太子山」と記されたガス灯が珍しい。 |
『秦家は、祇園祭で太子山を出す町内にあり、江戸時代から薬屋を営んでいた。 |
主屋は表の店舗部と奥の居住部を玄関部でつないだ「表屋造り」形式である。明治2年(1869)に建てられ、その後明治35年(1902)に増築されている。 |
店舗部の外観は、階高を変えたり看板を作り付けたりして、変化に富む構成である。 |
居住部1階には2列に室を配している。奥列に8畳の座敷と6畳の中の間を設けているが、玄関から座敷に行けるように、中廊下が配されている。 |
土蔵は切妻造り、本瓦葺の2階建てで、江戸時代の建築とみられる。秦家住宅は、敷地全体として下京の伝統的商家のおもかげをよく伝える住宅として貴重である。』 |
出展:【京都市指定有形文化財 秦家住宅の駒札】より |
秦家住宅は前日までに予約をすれば見学が出来、大人1,000円・高校生800円・中学生500円で20~30分位の見学時間である。 |
祇園祭の太子山は、聖徳太子を祀るのでこの名がある。 |
聖徳太子が四天王寺建立のために自ら杉を伐ったという説話にちなみ、山では唯一、松の代わりに杉を用いる。水引は華麗な懸装品を見せるよう、組み紐を七宝編みにしている。 |
宵山には、聖徳太子にちなみ、智恵が授かるという「杉の守り」「智恵の守り」が授与されている。 |
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