東山三十六峰、静かに眠る丑三つ時。にわかに起こる剣戟の響き・・・・・

東山に来るとこの語り口が思い起こされるのだが、東山「慧日山」の麓にそびえる東福寺の「三門」である。


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明治30年(1897)12月28日に国宝に指定された東福寺の三門、寺域への境界を示すもので「山門」と表されることが多いが、東福寺は「三門」と書かれる。

これは涅槃に達する為に通る、三解脱門の意で、

空解脱
世の因縁を解き放ち無の境地に……

無相解脱
姿形にとらわれず総ての執着を離れた境地に……

無作解脱
作為がなく自然な境地に……

の三つを表している。


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東福寺の三門は、室町時代の応永12年(1405)に、室町四代将軍、足利義持によって再建されたものである。

三門の大きさは、五間三戸で、
(五間三戸とは、正面の柱の間が五つで、うち中央の三つが通路
になっている事を云う)||

二階二十門の入母屋造り・本瓦葺で、左右に階段を覆う山廊がある。
(二階建てだが楼閣ではなく、一階と二階の間にも軒が張出しているものを云う)

日本の三大門は、
『知恩院(京都市東山区)』『南禅寺(京都市左京区)』『久遠寺(山梨県身延町)』
または『東大寺南大門(奈良市)』『法隆寺南大門(奈良県斑鳩町)』『東照宮陽明門(日光市)』を云い、

京都での三大門といえば、
『南禅寺』『知恩院』『東本願寺御影堂門』がある。

京の三大門(過去ブロ)
http://blogs.yahoo.co.jp/yuhobito/43829539.html

それらの三門とも比べて、決して引けをとることがない東福寺の三門である。


                           参照:【東福寺三門(国宝)の説明板】より