五社成就宮の南側には、禅堂伽藍で現存する日本最古の浴室がある。


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この浴室は現在で云う所の「サウナ風呂」である。

当時、水は貴重で数百人の僧侶が沐浴にお湯を使用すると膨大な量になり、またその水を沸かす薪も東山三十六峰の山々の木々が無くなってしまう恐れがあった。

その為に蒸気で垢をふやかし擦り落とすことにして、水と薪を節約したのである。

自然の中に人間は生かされ、自然に感謝して生きるという禅の心を取り入れたものなのである。


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室町時代の長禄3年(1459)に建てられ、東側に破風の二つの蒸し風呂が並び、各々板戸を立てている。

後方に釜や焚き口が有り、蒸気をすの子を通して下から送る。

建物の大きさは、桁行三間(5.5m)、梁間四間(7.3m)で、一重正面入母屋造・背面切妻造の本瓦葺である。

内部は、正面板敷きの上に中央向唐破風となっている。


                           参照:【浴室(重要文化財)の説明板】より