『大黒さま』(明治38年(1905)尋常小学校二年 文部省唱歌)
作詞:石原 和三郎、作曲:田村 虎造
大黒さまは大国主大神で、出雲大社のご祭神である。
「大きなふくろを かたにかけ/大黒さまが 来かかると/ここにいなばの 白うさぎ/皮をむかれて あかはだか」と、
大黒さまが因幡の国に来ると、そこに因幡の白兎が皮を剥かれて、赤い膚になっていた。
因幡の白兎は古事記にある神話で、それには
「八十神は稲羽の八上姫を妻にしようと、大穴牟遅神(おおあなむぢのかみ:大黒さま)に袋を背負わせ供をさせ、気多之前(けたのまえ:白兎海岸の西端に突き出た岬)に来たときに、ここに赤い裸の兎が伏せっていた。
八十神はその兎に「海水を浴びて風にあたり、丘の上に伏せていよ」と言うので、兎はその通りにしていると、海水が乾くにつれ、ますます傷が痛みだし泣き伏していた。
後から来た大穴牟遅神が訳を訪ねると「淤岐ノ島からこの地に渡ろうと思ったが、渡る方法が無く海の鰐(鮫:サメ)を欺いて、兎と鮫とどちらが多いか比べよう」とて、鮫を並ばして数を読む振りをして、その背中を踏んで今まさに地上に降りようとする時に、吾が鰐を騙したことを告げると、鰐が吾を捕まえて皮を剥ぎ取られてしまい、泣いていると先の八十神に命じられるようにしたが、もっと酷くなってしまった。という。
「大黒さまは あわれがり/きれいな水に 身を洗い/がまのほわたに くるまれと/よくよくおしえて やりました」
「大黒さまの いうとおり/きれいな水に 身を洗い/がまのほわたに くるまれば/うさぎはもとの 白うさぎ」
ここに大穴牟遅神は、その兎に水門へ行って、きれいな水で身を洗い、蒲の穂を敷いて其の上に転がれば、傷は治ると教えた。
教えのとおりにすると、兎の体は元通りになった。
その兎は大穴牟遅神に向い「八十神は八上姫を選ることは出来ず、袋を背負った汝が妻とされよう」と言ったという。
八上姫は、八十神に答え「汝たちのことは聞かない、大穴牟遅神の妻になる。」と言う。
この歌には4番があることは知らなかった。それには、
「大黒さまは たれだろう/おおくにぬしの みこととて/国をひらきて 世の人を/たすけなされた 神さまよ」
と歌われている。



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