『女人高野』(平成14年(2002)発売)
作詞:五木 寛之、作曲:幸 耕平、歌:田川 寿美
「ここは室生寺 鐘の音/恋しくて 切なくて 女人高野の 風に泣く/逢いたくて 苦しくて 女人高野の 夜に泣く」
と、女人高野とは室生寺のことをいう。
室生寺は奈良盆地の東、三重に近い宇陀市室生にある山岳寺院である。
室生寺には、大阪上本町から近鉄大阪線(大阪上本町から三重県松阪市の伊勢中川までの路線)で「室生口大野」(1時間2分)で降りる。
京都からは、近鉄奈良線で大和八木で大阪線に乗り換え、室生口大野まで1時間40分(急行で)ほどである。
室生口大野から、奈良交通のバスで「室生寺前」行きに乗り15分で終点の室生寺前に着く。
ここから徒歩7分ほどで「室生寺」である。
大和平野の東、山と渓谷の続く室生のあたりは、火山活動によって出来た所で、宇陀川の支流室生川の北岸に室生山があり、その山麓から中腹にかけて室生寺の堂塔伽藍が建っている。
真言宗室生寺派の本山で、山号は宀一山(べんいちさん)といい、本尊は釈迦如来立像である。
奈良時代末期に、山部親王(後の桓武天皇)の病気平癒を祈願した興福寺の僧・賢憬(けんけい)により創建され、弟子の修円が伽藍を整備する。
時は流れるが、興福寺の別院で、山岳修行の場、諸宗学問の道場としての性格を有しており、真言宗の寺院となるのは江戸時代になってからである。
元禄年間に、5代将軍徳川綱吉の生母桂昌院の庇護を受け再興され、金堂(国宝)や弥勒堂(重要文化財)、本堂(国宝)などが建ち、金堂には本尊釈迦如来立像(国宝)をはじめ、十一面観音立像(国宝)などが安置されている。
また五重塔(国宝)は高さ16mで、屋外に建つ塔としては日本で一番小さい塔である。
このころから、女人禁制だった高野山金剛峰寺に対し、室生寺は女人の参詣が許可されたことから、「女人高野」と呼ばれた。
なお、山号の「宀一」(べんいちさん)は「室」のうかんむりと「生」の最後の一画を取ったものだという。
ちなみに「新聞からご当地ソングが聴こえてくる」の奈良のご当地そんぐは、
『まほろば』(昭和54年(1979)発売)
作詞・作曲:さだまさし、歌:さだまさし である。


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