ラインの館から坂を下り北野通りに出ると、「英国館」「仏蘭西館」が並び、東に1分ほどで「ベンの家」がある。

英国館(旧フデセック邸)
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明治42年(1909)に、イギリス人の医師・フデセック氏の自宅として建築されたコロニアル様式の建物で、建築当時のままに保存されている。
館内には17紀から19世紀の調度品が置かれ、2階には探偵シャーロック・ホームズの「ベーカー街221B」の部屋が再現されており、ホームズの衣装(インヴィネスケープ(マント)やディアストーカー(帽子))を着て館内や四季折々の花々が楽しめるイングリッシュガーデンを散策することが出来る。

仏蘭西館(旧ボシー邸)
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明治41年(1908)居留地に2世帯が暮らせる外国人向けのアパルトマンとして建てられ、後に現在地に移築された。
木造2階建、寄棟屋根に下見張りのオイルペンキ塗りの外壁で、左右対称の2棟が中央でつながり、連結部の階段の左右に玄関が向き合うように配置されている。
その外観が日本の長屋のようで、「洋館長屋」とも呼ばれる。
館内はフランス色で統一され、アールヌーボーを代表するガラス工芸家エミール・ガレやドーム兄弟らのガラスアート、エコール・ド・パリの絵画、ナポレオン時代のピアノや草創期のヴィトンのトランクがさりげなく飾られている。

ベンの家(旧フェレ邸)
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明治35年(1902)居留地に商館として建築された建物で、その後、現在の地に移転されイギリス貴族のベン・アリソンの自宅として使用された。
木造2階建てで、塀、壁、建具など竣工した当時のままで現存している。
モルタル仕上げの赤レンガ塀は、当時ドイツから取り寄せた煉瓦が使われている。
館内には、ベンが世界各地で射止めた動物の剥製の巨大な北極グマやムース、リンクス、ヘラ鹿のほか、絶滅危惧種も多く展示されている。

北野の坂の上から歩き始めた異人館めぐりも一巡り終わり、異国情緒に浸った1日であった。