旧サッスーン邸・プラトン装飾美術館(イタリア館)・旧中国領事館(坂の上の異人館)
『港・坂道・異人館』(昭和52年(1977)発売)
作詞:喜多條 忠、作曲:大野 克夫、歌:いしだあゆみ
兵庫といえば神戸を思い浮かべる人は多い。なかでも北野の異人館通は訪ねる人も多い。
いしだあゆみの「港・坂道・異人館」を聞きながら、北野の異人館を歩いてみよう。

新神戸から北野通りを西南に8分ほど歩くと・・・
旧サッスーン邸
01旧サッスーン邸mid
明治25年(1892)に建造され、昭和60年(1985)までシリア人の貿易商デヴィット・サッスーン氏が住んでいたことから「旧サッスーン艇」と呼ばれている。
外観は典型的なコロニアルスタイルで、南側に100坪の庭園があり、内部はダンスホールや客間などがあり、優れた意匠で飾られている。
(コロニアルスタイルとは植民地のという意味を持ち、ヨーロッパの宗主国(植民地を支配する国)が植民地に持ち込んだ建築洋式や家具の洋式をいい、建物は、正面にポーチが、木造で板張りの壁に大きな窓やバルコニーがあり、急勾配や腰折れの屋根となっている。)
インテリアは、シンプルな木製家具や自然素材を活かしたデザイン、明るい色とシックな色の組み合わせなど、ヨーロッパと現地文化を融合させたものとなっている。
現在は一般公開はされておらず、貸し切りの結婚式や披露宴の会場として利用されており、当時の調度品や雰囲気が残る、特別な場所となっている。

旧サッスーン邸から不動坂を北に2分ほど上ると・・・
プラトン装飾美術館(イタリア館)
02イタリア館mid
大正4年(1915)にアボイ氏の自宅として建てられたもので、家具や調度品、絵画、彫刻など、18世紀から19世紀の美術品を見ることが出来る美術館となっている。
この建物は、公開されている異人館で唯一、今もオーナー家族が住んでいることで、案内のメイドさんも本物のメイドさんだという。
土・日曜、祝日限定で、プールの見えるガーデンテラスでティーブレイクを楽しむことが出来る。

プラトン装飾美術館からさらに不動坂を2分ほど上ると・・・
旧中国領事館(坂の上の異人館)
03中国領事館mid
中華民国の政治家・王兆銘(おうちょうめい)が、昭和15年(1940)南京に日本の傀儡政権を樹立したときに、中国領事館として使われた。
寄棟屋根の窓には繊細な装飾を施が施された東洋風の建物で、中国領事館だったことから、館内は、明朝(1368年~1615年)から清朝(1616年~1911年)に至る中国の家具、調度品、美術品が並んでいる。
特に、中庭の狛犬(獅子像)はどちらも「阿」形で口を開いていて、その間を歩くと「愛情に恵まれる」と言われている。
公開中されている異人館の中で、唯一東洋の芳醇な香りが漂う異人館である。