づぼらやのふぐ
かに道楽の次に見えるのが、ふぐ料理の「づばらや」の「ふぐ」の看板。
ふぐの形をした看板が店先に張り出している。
なかなかひょうきんな顔をして、店先にぶら下がっている。
大正9年(1920)に、ふぐ料理の専門店として開業した老舗であったのだが、この記事をかくために調べていたら、なんと令和2年(2020)9月に閉店をしたという。
店先にあった長さ5m、高さ3.5mの巨大ふぐ看板も撤去されたという。
じつhこのふぐの看板は条例の基準を超えた違法看板だったようで、大阪市も安全性が確保されており観光客からの人気もあり、見て見ぬふりだったようだが、いずれにしても道頓堀の名物が一つ無くなったことに違いはないのである。
くいだおれ人形(くいだおれ太郎)
その右に大阪名物くいだおれと看板にある「くいだおれ」の店先にある人形。
60年の阪神優勝の時は、KFCのカーネルサンダースの人形とこの「くいだおれ」の人形とがターゲットとなったようだが、くいだおれの人形は難を逃れ、KFCの人形が阪神ファンの餌食にない、道頓堀川に投げ込まれた。
以来、阪神は優勝から遠ざかり、カーネルサンダースの呪いと言われたが、平成21年(2009)に、戎橋下流で見つかり引き上げられ、カーネルサンダースの呪いが解け、以来優勝争いを演じ、今年(2025年)は首位を独走しているのである。
「くいだおれ」は、昭和24年(1949)に道頓堀に開店される。
「京都の着倒れ、大阪の食い倒れ、堺の建て倒れ、神戸の履き倒れ、奈良の寝倒れ」といわれるように大阪の特性を表した言葉から取ったもので、戦後復興のために飲食店を開店する。
くいだおれ人形は翌年の昭和25年(1959)に店頭に設置され、以来「くいだおれ」のマスコット人形となり、名も「くいだおれ太郎」と名付けられ観光客などに親しまれていたのだが、周辺環境や時代の変化、家族経営の限界などで、平成20年(2008)に閉店となる。
くいだおれ人形も撤去されたが、令和7年3月に中座くいだおれビルのリニューアルオープンとともに、上半身6mの巨大看板と、くいだおれ人形(太郎)」が1階エントランスに復活をした。
食べものやとなった中座(中座くいだおれビル)
そこを過ぎると「いつか中座の花となる、惚れた男のでっかい夢がある」と歌われた中座あと。
名前だけが残りレストラン街となってしまった。
平成14年(2002)に、中座の取り壊しの最中に火事を起こし、法善寺横丁に累を及ぼしたことは周知の通りである。
平成16年(2004)に、「セラヴィスクエア中座」と称して、パチンコ店と飲食店が入居する商業ビルとなり、運営会社が変わり、平成21年(2009)に「中座くいだおれビル」となり、さらに運営会社が変わり、平成7年(2025)3月にリニューアルオープンし「くいだおれ太郎」も復活するのである。
道頓堀界隈
今は無き「くいだおれ」、「づぼらや」が見える道頓堀の夕暮れ時の風景である。
まだ夜のネオンが灯るには少し早すぎる時間ではあるが、御堂筋歩きは、宗右衛門町のネオンもうぶなあの娘も消えてしまったので、このへんでお開きにしようと思う。




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