そして、
『上高地の春』(昭和61年(1986)発表)
作詞:井上 勝稔、作曲:岩﨑 良信、歌:ダークダックス
上高地
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『上高地は、穂高連峰・焼岳・六百山・長塀山などの高山にとりかこまれた盆地で、その中心を明神池・田代池・大正池をつらねて梓川が流れる。
山頂部は、高山植物の種類に富み、山腹は、針葉樹・落葉広葉樹の天然林におおわれ、岳沢ぞいには、ケンシヨウヤナギが群生する等美しい景観をみせている。
湖沼地帯には、水生植物・湿原植物の群落が発達し、マガモなど多くの鳥類が繁殖する。
この地域は、また、わが国有数の高山蝶の生息地である。
このような比類のない自然景観と学術上の価値とから文化財保護法により、特別名勝および特別天然記念物(天然保護区域)に指定されたものである。』
出典:【特別名勝 特別天然記念物 上高地】より

上高地には大正池のバス停で降り、河童橋までを歩くことにした。
大正池
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大正池は、焼岳が大正4年(1915)に噴火した時に、泥流(噴火により多量の水分を含んだ火山灰)により梓川が堰き止められて出来た池。
池には立ち枯れした木々が残り、この景観が上高地を特別名勝・天然記念物に指定される要因の一つとなった。
当初は田代橋あたりまでが湖だったが、年月にお経過とともに、面積も半分以下となり、上流からの砂礫や焼岳からの土砂の堆積で浅くなっており、シーズン終わりには堆積物を取り除く作業が行われている。

田代池
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大正池に隣接し、大正池とともに焼岳の噴火で出た泥流により、千丈沢(梓川左岸の支流)を堰き止めて出来た池。
水深は浅く透明度が高く、北アルプスが水面に映る姿は壮観である。

河童橋
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明治24年(1891)に、長さ37m、幅3,1mのカラマツの橋が初めて架けられた。この橋から、穂高岳、焼岳などを望むことが出来、上高地のシンボル的存在となっている。
名の由来は、昔ここに河童が住んでいた河童淵があったからだという。
この橋を一躍有名にしたのが、芥川龍之介が昭和2年(1927)に発表した「河童」という小説で、第二十三号が穂高山登山に行く途中、河童に出会い河童の国に迷い込むという話で、上高地が穂高登山の入口であったため、小説に登場した「河童橋」が、上高地にある「河童橋」が知られるようになった。

梓川
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槍ケ岳を源流とし南下し、上高地の大正池から奈川ダムに注ぎ、島々で東に流れ松本市で奈良井川と合流し犀川と名を変え、長野市で千曲川に注ぎ込む。
犀川の上流が梓川であり、流域が梓の山地であり、古来「梓弓」の材料として使われたことから梓川と呼ばれるようになる。

上高地帝国ホテル
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山岳リゾートホテルとして、昭和8年(1933)に開業し、現在の建物は昭和52年(1977)に建て替えられたものだが、赤い三角屋根と丸太小屋の外観は開業当時の趣きを残している。