ご当地そんぐは、
『智恵子抄』(昭和39年(1964)発売)
作詞:丘 灯至夫、作曲:戸塚 三博、歌:二代目 コロンビア・ローズ

01国見SAmid
仙台の青葉城跡から、東北自動車道を一路南に・・・
1時間ほどで宮城から福島に入り国見SAで休憩をし、さらに東北自動車道を南に。
二本松市を過ぎるあたりから、安達太良山が右に見えてくるはずなのだが、気付くこともなく通り過ぎてしまった。
安達太良山は、利根川を坂東太郎というように、安達郡にある一番高い山ということで、安達の太郎と呼ばれたことからその名が付いたともいう。
またその形から乳首山とも呼ばれ、北から鬼面山(1,418m)、箕輪山(1,728m:最高峰)、鉄山(1,709m)、安達太良山(1,699m)、和尚山(1,625m)と連なる火山である。
火口底は沼ノ平といい、明治33年(1900)の大爆発によってできた、直径500mにおよぶ噴火口で、荒々しい山肌の絶壁がそそり立っている。
岳温泉の湯元である鉄山には、天然記念物の白山八重シャクナゲが群生している。

02マップmid
二本松と安達太良山と聞くと、高村光太郎が著した『智恵子抄』にある「あどけない話」に
「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、切つても切れない、むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは、うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に、毎日出てゐる青い空が、智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。」
また「樹下の二人」には、
「あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川。
ここはあなたの生れたふるさと、あの小さな白壁の点点があなたのうちの酒庫(さかぐら)。
それでは足をのびのびと投げ出して、このがらんと晴れ渡った北国の木の香に満ちた空気を吸はう。」
とあるように智恵子の故郷の阿多多羅山(安達太良山)の上の青い空が本当の空だというのが分かるような気がして、コロンビア・ローズが「東京の空灰色の空 ほんとの空が見たいという・・・」と歌う「智恵子抄」が浮かんでくるのである。

03大内宿mid
長沼智恵子さんを偲び、智恵子抄から2題。
「人に」
「いやなんですあなたのいつてしまふのが・・・
花よりさきに実のなるやうな 種子(たね)よりさきに芽の出るやうな 夏から春のすぐ来るやうな そんな理窟に合はない不自然をどうかしないでゐて下さい
型のやうな旦那さまと まるい字をかくそのあなたと かう考へてさへなぜか私は泣かれます
小鳥のやうに臆病で 大風のやうにわがままな あなたがお嫁にゆくなんて」

「レモン哀歌」
「そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で わたしの手からとつた一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ その数滴の天のものなるレモンの汁は ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ わたしの手を握るあなたの力の健康さよ あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが かういふ命の瀬戸ぎはに 智恵子はもとの智恵子となり 生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時 昔山顚(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして あなたの機関はそれなり止まつた 写真の前に挿した桜の花かげに すずしく光るレモンを今日も置かう」