京都駅から、A2の4系統のバスに乗り、一路北へと向かう。
河原町通をまっすぐに北へと向かい「深泥池」でバスを降りる。深泥池は、このバス停から東に歩いてすぐである。

01バス停mid
深泥池は京の北、上賀茂深泥池町と狭間町にある池である。深泥池と書いて「みどろ(が)いけ」と「みぞろ(が)いけ」の二通りの読み方があるのだが、この辺りの地名では「みどろ」と読む方が多いようである。
しかし京都市では「みぞろ(が)いけ」と呼び、また市バスの停留所は「みどろ(が)いけ」と表記されている。
どちらの読みが正しいのかという議論は於くことにし、「みどろ(が)いけ」と読むと、妖怪がぞろぞろ出てきそうな感じで、「みぞろ(が)いけ」と読むと、お化けがひっそりと出てくるような雰囲気をもつ池である。

02深泥池(1)mid
深泥池は、美度絽池(みどろいけ)、御菩薩池(みぞろいけ)とも書き、古くから池はあったようである。東西110m、南北450m、周囲1.5Km、面積9ヘクタールの大きさで、三方を山に囲われ南西端のみが開けている。
水の深さは1mだが底の泥土層は4mあり、深泥池に落ちると泥土にのみ込まれて、二度と浮き上がれないと信じられていた。
このことから、この池に沈んだ御霊を鎮めようと、近くには、深泥池地蔵が安置されている。

03深泥池(2)mid
池のほとりの説明板には、
『深泥池(みぞろがいけ)は、面積約9ヘクタール、周囲約1.5キロメートルの大きさで、市街地に接する場所に位置しているにもかかわらず、現在でも氷河時代以来の動植物が生息する大変貴重な池です。
京都盆地h、気候的には暖温帯に属しますが、この深泥池には、東日本北部の冷温帯に成立するはずの高層湿原が残っているため、西日本に残る数少ない高層湿原として、昭和2年(1927)に深泥池水生植物群落として国の天然記念物に指定されました。
また、その後の調査で動物についても希少なものが多く生息していることが判明し、昭和63年(1988)には、昆虫等の動物も含めた深泥池生物群集に名称が変更された。』
                      出典:【深泥池生物群集の説明文】より

04植物mid
深泥池の植物
深泥池に群生する生物は、氷河期から続くものと、温暖地に生息するものが共存しており、昭和2年(1927)に植物が国の天然記念物となり、その後、昭和63年年(1988)に動植物を含めて、生物系に関わるものが天然記念物に指定された。
『深泥池に生育する植物の多くは、高層湿原に由来するものであるため、本来は北方系の植物であり、中には、ホロムイソウのように世界的な分布の南限である種類も成育しています。
浮島に成育する代表的な種類としては、アゼスゲ(花色:白色、花期:4月)、ミツガシワ(白色、4月)、カキツバタ(淡紫色、5月中旬)、トキソウ(淡紅色、5月後半~6月初)、イヌノハナヒゲ(赤褐色、7月~10月)、サワギキョウ(青紫色、9月後半~10月)や、モウセンゴケやミミカキグサといった食虫植物があげられます。
また、浮島周囲の水面(開水面といいます)には、ジュンサイ(紅紫色、6月下旬)、ヒメコウホネ(黄色、6月~10月)や食中植物のタヌキモ(黄色、7月~9月)が成育しています。』
                      出典:【深泥池生物群集の説明文】より

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深泥池の動物
『深泥池に生息する動物の代表は昆虫です。中でも、トンボ類は約60種類確認されています。
また、全国的にも珍しい種類を含むものとしては、ゲンゴロウやアメンボの仲間があげられます。
他にも、ヒメコウホネを幼虫の餌とするミドロミズメイガ、ミツガシワの花の蜜を吸うハナダカマガリモンハナアブ等のハナアブ類があげられます。
昆虫以外では、水中で生活するミズグモを代表とするクモ類、マガモ、ヒドリガモ等の冬鳥を代表とする鳥類が多く、特に冬場のカモ類は岸辺から肉眼でもよく観察することができます。』
                      出典:【深泥池生物群集の説明文】より

深泥池(京都市北区上賀茂深泥池町67-1)
京都駅から、
▼「A2」乗り場から、4系統で『深泥池』下車(所要45分)、
「深泥池」から、徒歩4分