車折神社には、嵐電の「車折神社」で降りるのが一番の近道である。
嵐電「車折神社」の駅は、明治43年(1910)に、車折神社の裏駅として開業している。
ずっと駅名は「車折」であったのだが、平成19年(2007)に「車折神社」と駅名を変更している。
手前(南側)が「嵐山」行きのホームで神社側となり、向こう(北側)が「四条大宮」行きのホームとなる。
車折神社に因んで、駅の柵や柱は朱色に塗られている。
ホームを出ると目の前に神社の鳥居があり、駅名のとおり車折神社はすぐである。
裏参道
駅の南側に鳥居が建ち、本殿へと続く参道となるのだが、こちら側は神社の裏にあたり、表は三条通から入ったところである。
駅の南側に鳥居が建ち、本殿へと続く参道となるのだが、こちら側は神社の裏にあたり、表は三条通から入ったところである。
表参道
三条通に面し赤い鳥居が建つのだが、こちらが表参道で、車での参拝はこちらからとなる。
鳥居をくぐり少し歩くと、車折神社と刻まれた石碑が建ち、参道が続く。
その先に、石の鳥居があり本殿がみえてくる。
本殿には、この横に道があり、そちらから向かうことになる。
車折神社は、祭神に清原頼業(1123~1189)を祀るのだが、頼業は平安時代に非常な博識をもって知られた学者であった。
生前には桜を愛したので、後鳥羽天皇から桜大明神の称号を贈られている。
車折の名は、その昔、牛車に乗った貴人が、車上のまま社前を通り過ぎようとしたところ、にわかに牛が倒れ車は折れ砕けたので、車折明神の名が生まれたと伝えられる。
また5月の第三日曜日には、大櫃川に竜頭鷁首(げきす)船や各種芸能船が回遊し、管弦流扇などが行なわれ、王朝の優雅な舟遊びが再現される、三船祭が行なわれる。
駒札には、
『平安時代末期の儒学者、清原頼業(きよはらよりなり)公(1122〜1189)を祀る。
社伝によれば、後嵯峨天皇が、牛車に乗ってこの社前を通ろうとした時、突然牛が動かなくなり、車の轅(ながえ:引棒)が折れたことから、車折神社と呼ばれるようになったといわれている。
昔から学問の向上、商売繁昌、売掛金回収に御利益があるといわれ、社務所で授与された小石に祈願を込め、家に持ち帰り、 願いが成就したらお礼の石を一個添えて神前に返納するという慣しがある。
境内には、芸能道の祖神といわれる天宇受売命(あまのうずめのみこと)を祀った「芸能神社」があり、古来、芸能上達を祈願する人に厚い崇敬を受けている。
また、当社の宮司 でもあった富岡鉄斎の「筆塚」がある。
毎年5月の第三日曜日に行われる「三船祭」では、 新緑の嵐山大堰川に、御座船をはじめ、龍頭船、 鷁首(げきす)船、扇流し船などの多くの船を浮かべて、平安時代の優雅な風情を再現する。
三船の名称は、白河天皇が、漢詩・和歌・奏楽に長けたものを三隻の船に分乗させたことによる。』
出典:【車折神社の駒札】より
車折神社には芝居や映画、音楽などの芸能の分野で活躍する人達の厚い信仰を受けている、芸能神社がよく知られている。
芸能神社は車折神社の末社で、祭神は天宇受賣命(あめのうずめのみこと)で、創建は比較的新しく、昭和32年(1957)に、他の末社から分祀をされたのが始まりである。
天宇受賣命は日本神話(古事記や日本書紀)に登場する、日本最古の踊子と云われ、そのことから芸能の神として崇められているのである。
古事記によると、天照大神が、荒ぶる神の須佐之男命の悪行に対し、怒りのために天の岩屋戸に隠れたことで、世の中が真っ暗になってしまった時に、天の岩屋戸の前で天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が桶の上に乗り、胸乳をあらわにし、裳(女子が腰から下をおおった衣服)の紐を股に押したれて、低く腰を落して足を踏みとどろかして踊った。
それを見た神々の騒がしき様を訝しく思った天照大神が岩戸を少し開くと、天手力雄神が岩戸を開き、再び世界に光が戻った。
このことから天宇受賣命が日本最古の踊子で、芸能の女神として崇敬されているのである。
芸能神社は、その天宇受賣命を祀る神社として、芸能関係の人達から厚い信仰を受けているのである。
芸能神社は、芸能・芸術の分野で活躍する人たちに厚い信仰があり、芸名などを記した朱塗りの玉垣が2,000枚以上も奉納されている。
写真には松浦亜弥の玉垣がみえるが、米倉涼子や西田敏行、松平建などの玉垣もあり、社寺の周りをめぐり、その名を探すのも面白いであろう。
本殿の柱といわず鳥居や賽銭箱にまで、もう貼れないというほどの名札や写真などが貼られている。
本人が貼ったのではなく、ここを訪れたファンが、人気がでますようにと、また公演が上手くいきますようにとかの願いを込めて貼ったものであろうか。
なかには文字がかすれ読めないものもあるが、このところ狭しと貼られた札を、時間があれば読んでみるのも一興かと思うのだが、あまりに多く、見ただけで止めてしまうのである。
京都駅から
▼「C6」乗り場から、京都バスで『車折神社前』下車(所要41分)
「車折神社前」からすぐ
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