御車返しの桜から、御所の「宜秋門(ぎしゅうもん)」が見える。
御所にある六つの門のうちの一つで、御所の西側にあって一番南に位置する門である。
かつて御所が春と秋の一般公開では、この門から入り「清所門」から出るという順路であった。
宜秋門は、平安京内裏の外郭門の一つで、西の正面に当たる門であった。
門は切妻造・檜皮葺の一間の四脚門である。
御所の西門にあたり、この門を入ると車寄せに通じ、皇族や公家などが出入りしたことで「公家門」とも呼ばれる。
歴史物語の大鏡(おおかがみ)には、後に栄華を欲しいままにする藤原兼家の子、道隆・道兼・道長の三兄弟が、65代・花山(かざん)天皇から肝試しを命じられ、道隆が宜秋門までは我慢をしたのだが、門を出ると怖くなり、御所に逃げ帰ったという話が載っている。
また正応3年(1290)に、浅原八郎為頼が息子二人と、伏見天皇を暗殺しようと、内裏に侵入したのも宜秋門からであった。
宜秋門から北に100メートルほどのところに「清所門」がある。
清所門は瓦葺きの門で、御所の勝手口として使われていたことから「御台所御門」とも呼ばれていた。
御所が通常公開になる前から、この門には皇宮警察のお巡りさんが常駐していた。
御所が予約の必要もなく、何時でも見学することが出来る様になり、この清所門から入り、この清所門から出るという見学コースとなっている。
何年か前の一般公開と平成21年4月の上皇・上皇后さまのご成婚50周年の特別公開の時は、宜秋門から入り清所門から出るという見学コースであった。
京都御所(京都市上京区京都御苑3)
京都駅から
▼「A2」乗り場から4・17・205系統で『府立大病院前』下車(所要23分)
「府立大病院前」から、徒歩10分
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「今出川」から、徒歩5分
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