泉涌寺の塔頭である「即成院」に行くには、京都駅から、みやこじ快速(奈良線)に乗り、「東福寺」に向かう。
別に、快速にのらなくても、各停でもよく東福寺は京都を出ると次の駅である。
東福寺の駅からは、北に1.2Km(徒歩18分)のところに「三十三間堂」が、また南に1,1Km(徒歩17分)のところに「東福寺」が、そして泉涌寺は、駅から西に1Km(徒歩16分)のところにある。
京都市バスでは、D2乗り場から88系統、または208系統に乗り「泉涌寺道」で降りると、目の前に泉涌寺へと続く道があり、「泉山御陵 参道」と「西国十五番 いまくまの観音寺」という道標が建ち、ここから泉涌寺へは、歩いて5分で泉涌寺の総門となる。
その横にあるのが、七福神の第一神「福禄寿」の「即成院」がある。
通称を、那須与市さんと言う。

01泉涌寺mid
泉涌寺は、古くから皇室の香華院(菩提所)として皇室との関わりが深く、御寺(みてら)とも呼ばれ、歴代天皇や皇后・親王の尊牌を奉納する霊明殿や、稔侍仏を安置する御座所があり、ほかに本堂・釈迦堂・観音堂・舎利殿・開山堂・などが並んでいる。寺のある所は、天長年間(824~834年)空海が法輪寺を建てた所で、承元年間(1207~1210年)月輪大師が堂宇を再興したおり、清泉が湧き出したので泉涌寺と改名したと伝わる。

02即成院mid
泉涌寺の塔頭「即成院」は駒札によれば、
『山号を光明山とする真言宗泉涌寺派の寺である。
寺伝によれば、正暦3年(992)、恵心僧都(源信)により伏見(宇治川北岸)に建立された光明院を起源とする。
寛治年間(1087~1094)に橘俊綱(藤原頼通の子)が山荘を造営するにあたり、光明院を持仏堂として傍らに移設し、後に山荘を寺院と改めてからは伏見寺または即成就院と呼ばれていた。
宇治川を挟んで向かい側には父、藤原頼通の宇治殿改め平等院が建っており、父子相呼応するような寺院建立の経緯である。
文禄3年(1594)、豊臣秀吉の伏見築城のため、深草大亀谷に移転し、さらに明治時代に至って泉涌寺山内に再興され、即成院と呼ばれるようになった。
本堂には、仏像群としての形式は極めて珍しい阿弥陀如来像並びに二十五菩薩像(重要文化財)が安置され、境内には平安時代の武将であり、弓の名手であった那須与一の墓と伝えられる石造宝塔がある。
寺伝によれば、与一は出陣する途中、病に罹ったが当院に参籠し、本尊阿弥陀如来の霊験で平癒し、屋島の戦い(源平の戦い)で戦功をたてたので、仏徳に感じて出家し当院に庵をむすび、一生を終えたと伝えられている。』
                           出典:【即成院の駒札】より

03本堂mid
即成院は、宇治の平等院を造営した藤原頼道のの子・橘俊綱により建立されたものだが、末法思想の極楽往生できるようにと、父が造った平等院を越えるものを作りたいと、宇治川を挟みその対岸に寺院を建立し、本尊の阿弥陀如来像と二十五体の菩薩像を整えるのである。
その後、文禄3年(1594)豊臣秀吉の伏見城築城で、深草大亀谷に移り、さらに明治廃仏毀釈の難を逃れ、泉涌寺山内の現在の地に再興され、仏像も引き継がれ安置されていて、本尊の阿弥陀如来像を中心にして、左右に半等身の二十五菩薩像を配し、阿弥陀如来が極楽浄土から来迎する姿を表したものである。
そして、二十五菩薩の多くが楽器を持っていることから、仏のオーケストラと呼ばれている。
阿弥陀如来来迎の姿が絵に描かれたものは多いだが、即成院のように彫刻で現したものは珍しい。
阿弥陀如来像と菩薩像10体が藤原時代後期のもので、残り15体は江戸時代のものだと云われている。
この来迎の様子を再現したものが「二十五菩薩お練り供養」で、本堂(極楽浄土)から地蔵堂(現世)へと渡した50メートルの橋を、金襴の菩薩装束を身に着けた菩薩が渡るというものである。

04境内mid
即成院は通称を那須与市さんと言う。
なぜ即成院が那須与市さんと呼ばれるかというと、この寺には那須与市の墓と伝えられる、石造宝塔があるからである。
与市の墓とされる宝塔には、外からは参拝することは出来ず、本堂の中を通ってのお参りとなる。
那須与市なる人物は、平安時代末期の武将で、現在の栃木県那須郡の出と云われている。
治承・寿永の乱で、源氏方について戦功を上げ、丹波・信濃に5ケ国を賜っている。
と書くと、与市の人物像がはっきりしないのだが、源平の屋島の戦いで、平氏の軍船に掲げられた扇を弓で射落とすという離れ業を行なった人物だといえば、誰しも与市なる人物が身近にみえて来る。
そんな与市であるのだが、与一は出陣する途中、病に罹ったが即成院に参籠し、本尊阿弥陀如来の霊験で平癒し、屋島の戦いで戦功をたてたので、仏徳に感じて出家し当院に庵をむすび、一生を終えたと伝えられ、即成院に与市の墓所があるのである。

即成院(京都市東山区泉涌寺山内町28)
京都駅から、
▼「D2」乗り場から88・208系統で『泉涌寺道』下車(所要13分)
「泉涌寺道」から、徒歩10分