京町家の建物の形式には、
平入り:平とは、切妻屋根(家の中心から、山型に左右へ屋根の斜面がある)の流れ方向
のことで、切妻屋根の斜面側に出入口がある建物。
妻入り:切妻屋根の棟と直角な三角形になる面を「妻(つま)」といい、その妻の側に出
入口がある建物。
真壁造:真壁(しんかべ)は、柱を露出する壁のことで、主に和室や数寄屋造・書院造な
どの伝統工法が用いられた建物。
表屋造:道路に面した部分に店舗、その奥に居住用の建物を別々の棟として建て、両棟の
間を中庭で隔て、細い通路でつながる、店舗兼住宅の建物。
京町家には3つの基本形があり、
「通り庭」 ;京町家の基本形で、通り庭に沿って表から店・台所・座敷の3室を1列に
並べ、土間および居室を1つの屋根で覆うものである。
「表屋造り」;通り庭形式の規模が大きくなったもので、間口が2列に広がり、奥行が拡
大して4室が並び店と奥が分かれたため、間に玄関棟が出来、玄関庭を持
つ。建物が大きくなった関係上採光や通気などのために、途中に坪庭を設
けることが多い。
「大塀造り」:前の二つは主屋が表通りに面しているのに対し、建物の周囲に高い塀を巡
らしているもので、店がなく表座敷となり、その奥か側面に玄関を設け、
後方に居住棟を建てる。本来、京町家は職住兼用なのだが、この形式は居
住専用なので塀に囲われる。
京町家独特の用語として
「通り庭」:玄関から裏庭までの土間の部分を通り庭と言う。台所を走りといい、台所の
庭を「走り庭(台所土間)」と呼び、「店庭(店土間)」とはくぐり戸また
は暖簾で仕切られており、ここから奥を「裏」とも云う。
「犬矢来(いぬやらい)」:道路に面した外壁に置かれるアーチ状の竹や木で出来た垣根
で、馬のはねる泥、犬走りと呼ばれる軒下を通る犬や猫の放尿から壁を守る
ものでもある。
「虫籠窓(むしこまど)」;大屋根と小屋根の間に挟まれた壁に漆喰で塗り込めた連子格
子の窓で、物置の空気抜きなどとして使われている。
「紅殻格子(べんがらこうし)」:京町家に特徴的な格子で、光を採り入れ、中からは外
が見えるが外からは中が見えにくい。多くは、紅殻を主成分とした粉末にエ
ゴマ油などを混ぜて塗られている。紅殻には防腐、防虫効果がある。
「ばったり床几(しょうぎ)」:店の正面に設けられた縁台で、折りたたみ式のベンチ。
ばったん床几ともいう。
「駒寄(こまよせ)」:京町家の軒下に設けられ、人馬の侵入を防ぐもので、古くは牛馬
をつないだといい、道と敷地の境界の役割を持つ。
「鍾馗さん」:京町家の屋根の上飾られている。古来、鍾軌さんは厄除けの神であり、京
の町屋では一階の瓦屋根に載せて厄病を祓うのである。
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