東福寺には、京都駅から市バス88・208系統のバスに乗り「東福寺」で降り、南に10分ほど歩くか、JR奈良線で「東福寺」で降り、南に10分ほど歩く。
また京阪電車では「東福寺」か「鳥羽街道」で降り、どちらも10分ほど歩く。

01東福寺mid
東福寺は、
『東福寺は、九条道家が九条家の氏寺にするため、奈良東大寺と興福寺の一字を取って寺名とし、殿内に釈迦・観音・弥陀の巨像を安置し、建長7年(1256)に完成した。
それ以来、禅宗の大道場として京都五山の一に列している。
思遠池の北に「三門」があり、五間三戸の楼門で三門中最古のもので、室町時代の様式を備えている。
本堂の西側に「禅堂」があり、貞和2年(1346)再建の唐様建築である。
禅堂の南に「東司(とうす)」があり、室町時代の禅宗式の便所で、南北35m、東西14mで中には36個の壺が並び、通称、百雪隠ともいう。
三門の南東に「浴室」があり、室町時代の禅宗寺院の浴室を知る貴重な建物である。
開山堂の前を西に下ると「月華門」があり、朱塗の四脚門で鎌倉時代の建物。
その他は明治ないし昭和の建立である。
禅堂から開山堂に行く途中、泉玉澗の渓流に架かる通天橋付近は紅葉の名所である。
東福寺の塔頭には、海蔵院・願成院・桂昌院・退耕庵・同聚院・万寿院・霊雲院・南明院・竜吟庵などがある。』
                      出典:【最新旅行案内 京都 東福寺】より

02通天橋mid
駒札には、
『恵日山(えにちざん)と号し、臨済宗東福寺派の大本山である。
藤原道家が嘉禎(かてい)2年(1236)東大寺、興福寺と並ぶ大寺の建立を発願して東福寺と名付け、禅僧円爾弁円(えんにべんえん:聖一国師)を開山に招いて、建長7年(1256)完成した。
その後火災を受けたが、室町初期に道家の計画通りに再建され、京都五山の一つとして栄え、多くの伽藍、塔頭が建ち並び、兵火を受けることもなく明治に至った。
明治14年に惜しくも仏殿、法堂など中心部を焼失したが、今なお堂々たる中世禅宗の寺観を保っている。
三門(国宝)は室町初期の作、禅宗三門として最古の遺構である。
禅堂(禅僧の坐禅所)、東司(とうす:便所)、浴室も室町時代の建物(重要文化財)でいずれも禅宗建築の重要な遺構である。
本堂、方丈は近時の再建で、開山堂に至る渓谷には多くの紅葉があって通天橋が架かり、また櫃月橋、臥雲橋が架けられて紅葉の名所をなしている。』
                           出典:【東福寺の駒札】より

03山門(1)mid
日本最古の三門といわれる東福寺の三門は、
『三門 室町時代 応永12年(1405)
東山三十六峰「慧日山」の麓に聳える国宝(指定:明治30年12月28日)「三門」。
一般的には「山門」と表記され、寺域の入口(境)をさす。
しかし東福寺では、「三つの門:三門」と表記している。
この意味は、「三解脱門」の略で、涅槃に達するための通らねばならない門とされる。
三つの門は「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無作門(むさもん)」である。
(三解脱門とは、
空解脱:世の因縁を解き放ち無の境地に……
無相解脱:姿形にとらわれず総ての執着を離れた境地に……
無作解脱:作為がなく自然な境地に……  の三つを表している。)
大きさは、五間三戸(五間三戸とは、正面の柱の間が五つで、うち中央の三つが通路になっている事を云う)、二階二重門、入母屋造り、本瓦葺、左右に階段を覆う山廊を有す。(二階建てだが楼閣ではなく、一階と二階の間にも軒が張出しているものを云う)
構造的には大仏様(天竺様)であるが、視覚的には禅宗様である。
三門正面二階には北朝第四代将軍足利義持の筆である扁額「玅雲閣」が掲げられている。
「妙」は「女」偏が一般的ですが、額は「玄」の偏を用い、本来の「玄」の意味である「奥深い道理」の意味を添え「妙」の意味の「真理・美しい」の意味を強化している。
大きさは小さく見えるが畳三畳分あり、又、力強い筆運びである。
二階内陣中央に35歳と云われる宝冠釈迦如来坐像、左前に月蓋尊者、右前に善財童子、両側に十六羅漢が安置されている。
周りには五百羅漢とも、森羅万象とも云われる木片が置かれている。
天井・柱には極彩色の迦陵頻伽(極楽に住む人面鳥身の架空の鳥)や飛龍(極楽に住む応龍)を描き、又金襴巻や牡丹唐草等で天上界を表している。
天上界は悟りに達した精神界究極の世界を現わしていると言える。
東福寺の僧である兆殿司・寒殿司の筆にて描かれ、三門内陣に心の存在を感じさせる空間を創造している。
大屋根の四隅の角柱は、桃山城崩落の天正大地震による三門の傷みを天正13年豊臣秀吉が行った大修理の際に補足した柱で、通称「太閤柱」と呼ばれている。』
                    出典:【東福寺三門(国宝)の説明板】より

04三門(2)mid
ちなみに、日本の三大門は『知恩院(京都市東山区)』『南禅寺(京都市左京区)』『久遠寺(山梨県身延町)』、または『東大寺南大門(奈良市)』『法隆寺南大門(奈良県斑鳩町)』『東照宮陽明門(日光市)』を云い、
京都での三大門といえば、『南禅寺』『知恩院』『東本願寺御影堂門』である。

京の三大門

東福寺(京都市東山区本町15丁目778)
京都駅から
▼「D2」乗り場から88・208系統で『東福寺』下車(所要17分)
「東福寺」から、南に徒歩10分