「京町家」という言葉は、昭和50年代の民家ブームが起こった時に付けられたもので、それまでは「町屋」と呼ばれていた。
町屋とは、商人が住む店舗兼住宅であり、通りに面して均等に建っている。
太平洋戦争までは日本各地に町屋があったのだが、戦時中に米軍の都市爆撃で多くの町屋が失われることになる。
京都の町は無差別爆撃を受けなかったことから、多くの町屋が残ることになったのである。
ここで京町家について少しふれてみよう。
京町家には3つの基本形があり、
「通り庭」形式
京町家の基本形で、通り庭に沿って表から店・台所・座敷の3室を1列に並べ、土間および居室を1つの屋根で覆うものである。
「表屋通り」形式
通り庭形式の規模が大きくなったもので、間口が2列に広がり、奥行が拡大して4室が並び店と奥が分かれたため、間に玄関棟が出来、玄関庭を持つ。
建物が大きくなった関係上採光や通気などのために、途中に坪庭を設けることが多い。
「大塀造り」形式
前の二つは主屋が表通りに面しているのに対し、建物の周囲に高い塀を巡らしているもので、店がなく表座敷となり、その奥か側面に玄関を設け、後方に居住棟を建てる。
本来、京町家は職住兼用なのだが、この形式は居住専用なので塀に囲われる。
もう一つ、京町家独特の用語として
「通り庭」
玄関から裏庭までの土間の部分を通り庭と言う。台所を走りといい、台所の庭を「走り庭(台所土間)」と呼び、「店庭(店土間)」とはくぐり戸または暖簾で仕切られており、ここから奥を「裏」とも云う。
「犬矢来(いぬやらい)」
道路に面した外壁に置かれるアーチ状の竹や木で出来た垣根で、馬のはねる泥、犬走りと呼ばれる軒下を通る犬や猫の放尿から壁を守るものでもある。
「虫籠窓(むしこまど)」
大屋根と小屋根の間に挟まれた壁に漆喰で塗り込めた連子格子の窓で、物置の空気抜きなどとして使われている。
「紅殻格子(べんがらこうし)」
京町家に特徴的な格子で、光を採り入れ、中からは外が見えるが外からは中が見えにくい。
多くは、紅殻を主成分とした粉末にエゴマ油などを混ぜて塗られている。紅殻には防腐、防虫効果がある。
「ばったり床几(しょうぎ)」
店の正面に設けられた縁台で、折りたたみ式のベンチ。ばったん床几ともいう。


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