葵祭は平安時代以前より続く。下鴨・上賀茂神社の祭礼である。
この祭の行列が平安の頃には、斎王の御所車と勅使や諸役の行列が、一条大路で合流し東へと向かったという。
この行列を見ようと、貴族たちは牛車で一条大路へと繰り出したのである。
そのことを題材として源氏物語には、葵の巻「車争い」として、その場面が描かれている。
六条御息所は、光源氏の心は自分にないことを知りながら、姿を一目見たいと一条大路へと向い、牛車の中にて行列を待っていたのだが、そこに光源氏の正妻である葵の上がやって来て、見物場所を探していた。
場所を探すうちに六条御息所の牛車が居ることに気づき、葵の上はそれと知りながら、車に狼藉を働き車を後ろに追いやるのである。
六条御息所は行列も見えず、視認で忍んで来たことも発覚し、この屈辱に耐えかねて身悶えし寝込んでしまうのである。
光源氏が見舞いに来ても会おうとはせず、生魂となり葵の上を呪い殺してしまうのである。
平安京一条大路跡にリンク ⇒ 源氏物語ゆかりの地「平安京一条大路跡」 : 京都より愛をこめて
一条通にリンク ⇒ 一条通 : 京都より愛をこめて
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